こんにちは。広報の山本です。
シリーズでお届けしている
食品ロス削減に向けた世界の取り組み紹介。
第6回目となる今回は、【中国】です。
今や世界第二位の経済大国となった中国。
日本の約25倍もの広大な土地に、
およそ14億人の人々が暮らしています。
多様な食材を生かしきる、
中国料理の探究心が世界を魅了する一方、
近年では、食の安全性が問題視されるなど、
中国の「食」を取り巻く環境は、
様々な注目を集めています。
そんな中国の食品ロス事情は、
どのようになっているのでしょうか。
中国の食品ロス事情
そもそも、中国で食品廃棄物が発生する背景には
・たくさんの料理でおもてなしをする文化が根付いている
・料理を残すことがテーブルマナーとされている
・外食文化が発展しており、屋台などでたくさんの料理が売られている
といった要因があり、家庭でも飲食店でも
「食べ残し」としての食品廃棄物が、
多く発生してしまうと言われています。
では、このような課題に対し、
中国ではどのような取り組みが行われているのか、ご紹介します。
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【取り組み紹介①】中央八項規定(習八条)
・官僚等の「ぜいたくを禁止した」八つの規定
(習近平国家主席が2012年に制定)
・その中で接待飲酒を禁止したり、宴会をビュッフェ形式にすることを奨励
・しかし、現状では2012年から5年間で26万人以上が違反
(八つのいづれかに違反した人数)
出典:RecordChina、2017
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【取り組み紹介②】光盤運動
・民間で起こった食べ残し撲滅運動
・光盤=「きれいに食べきったお皿」を意味する
・完食したお皿の写真をSNSに投稿することが一種のブームに
・運動に付随し、ハーフサイズの料理を提供するレストラン(一部の市)
もあったが、現在はほとんど行われていない
出典:「光盤運動」VS「中国式食べ残し」(CRLonline)
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中国が食品ロスを削減させるには?
以上、中国で行われている食品ロス削減対策を2つご紹介しましたが、
どちらも、なかなか成果に結びついていないのが現状です。
食べ残しがテーブルマナーとされるなど、
古くから根付く食文化が与える影響も大きく、
中国で食品ロスを削減するためには、
みんなできれいに食べきろう!
という意識転換を、
国民全体で共有することが重要だと言われています。
また、食品ロスを削減すれば、
経済的なメリットがあるなど、
経済的動機づけを促す仕組みの必要性も伺えます。
今、中国に求められていることは、
政府や民間企業、そして家庭や個人においても、
まずは食品ロスの問題としっかり向き合い、
食品ロスを減らすためにできることを、
それぞれの立場で考え、
行動に移していくことだと言えるのではないでしょうか。
参考:「食べ残しに関する日本と中国の大学生の意識調査」、2019
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