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【エコトラベル】環境に優しい観光地と行動のポイント

公開日: 更新日:2024.01.09
【エコトラベル】環境に優しい観光地と行動のポイント


エコトラベルが今、話題となっていますが、ただ単に「環境に優しい」だけで済まされるものではありません。実は、地域の文化や経済にも配慮した持続可能な観光が求められています。

次の旅行で「持続可能な楽しさ」を体感してみませんか?


 

エコトラベルの基本とは

船にのっている人たち

エコトラベルとエコツーリズムの違い

エコトラベルとは、環境に配慮しながら旅行や観光を楽しむことを指します。これは一般的な観光活動とは一線を画し、自然や文化、地域社会への影響を最小限に抑えるよう努力します。
一方で、エコツーリズムはその中でもさらに専門的なカテゴリーで、観光客自身が自然環境や地域文化の保全活動に参加する形が一般的です。エコツーリズムは教育的な側面が強く、旅行者が持続可能な観光について学ぶ機会も多いです。

エコトラベルの三つの柱

エコトラベルには三つの重要な柱があります。
一つ目は「環境への影響を最小限に」、つまり、CO2排出を抑える交通手段を選ぶ、節水・節電に努めるなど、環境に配慮した行動をすることです。
二つ目は「地域社会と協力する」、地元の人々やビジネスに貢献し、地域資源を尊重しながら観光を楽しむことです。
三つ目は「教育と啓発」、自分自身が学び、その知識を広めることで、持続可能な観光文化を育む責任も持ちます。

成功するエコトラベルのポイント

エコトラベルを成功させるためには、事前の計画と準備が不可欠です。持続可能な観光地の選定から、現地での行動、帰宅後のフィードバックまで、一貫した環境配慮が求められます。
例えば、環境に優しいホテルやレストランを事前にリサーチしたり、現地での公共交通の利用を考えたりします。また、地元の文化や習慣に敬意を持ち、地域社会との協力を心がけることも重要です。
成功したエコトラベルは、ただ単に「旅をする」のではなく、「意味のある旅をする」ことに繋がります。

環境に優しい観光地の選び方

美しい自然

自然保護が行われている観光地

観光地を選ぶ際には、その場所でどれだけ自然保護が行われているかが重要なポイントとなります。例えば、日本の屋久島はユネスコの世界遺産にも登録されており、厳格な自然保護が行われています。その結果、独自の生態系が保たれ、多くの希少な動植物が生息しています。
具体的には、観光地で自然保護が行われているかどうかを確認する方法として、管理団体のウェブサイトでの情報提供や、過去の環境影響評価レポートなどが参考になります。また、環境保全団体が関与しているか、地元住民が積極的に自然保護に参加しているかも大切なポイントです。

地域活性化に貢献するスポット

観光地選びで重要なのは、その場所が地域活性化にどれだけ貢献しているかです。この点で言えば、観光が地域経済に直接的な影響を与える場合が多いです。例を挙げれば、京都の観光は、地元の工芸品や食材を用いた土産物、または宿泊施設などが多くの雇用を生み出しています。
地域活性化に貢献しているかどうかの基準としては、観光収益がどれだけ地域に還元されているかが一つの指標です。また、観光地が地域の伝統や文化を尊重し、それを観光資源として活用しているかも重要なポイントです。

野生動物保護が考慮されている場所

観光地で特に重要なのは、野生動物保護が考慮されているかどうかです。アフリカのサファリパークなどは、その良い例です。これらの場所では、観光客による動物への影響を最小限に抑えるためのガイドラインが設けられています。例えば、一定の距離を保って動物を観察する、餌付けは禁止するなどです。
野生動物保護が考慮されている場所を選ぶ際には、その場所が動物福祉に配慮した認証を受けているかどうかが一つの目安になります。World Animal Protection(世界動物保護機構)など、動物保護に関する信頼性のある団体が発行する認証がそれです。また、地元の保護団体や研究機関と連携しているかどうかも重要な基準となります。

エコトラベルでのゴミ管理のポイント

ゴミのない公園

ゴミ管理の重要性と工夫点

エコトラベルにおいては、ゴミ管理が一つの大きな焦点です。特にリサイクルとごみ削減は、環境への影響を軽減する重要なステップです。
リサイクルについては、正確な分別が必要です。日本環境衛生センターの報告によれば、適切に分別されたごみのリサイクル効率は最大で50%も高くなるとされています。観光地でよく見かける分別されたゴミ箱をしっかりと利用することが、質の高いリサイクルにつながります。
ごみの削減、これは日常の小さな工夫から始められます。
例えば、持参する水筒やお弁当箱を活用することで、一回使い捨てのプラスチック製品の使用を大幅に減らせます。データによりますと、使い捨てのプラスチック製品は、再利用可能な製品と比較してCO2排出量が最大で2倍も高いと言われています。観光地の食事場所でよく提供される紙ナプキンやストローも、自分で持参した小物で簡単に代用できます。
このように、リサイクルとごみ削減を意識した行動一つ一つが、持続可能な観光と環境保全に大いに貢献します。

持続可能な観光とごみ問題

観光は地域経済に貢献する重要な産業ですが、その反面で環境にも大きな影響を及ぼしています。特に、観光地で生じるゴミ問題は深刻で、これにより自然環境や生態系が損なわれる場合があります。
国連世界観光機関(UNWTO)によれば、観光活動による全世界の固形廃棄物の量は年間1.4億トンに上るとされています。
観光地でのゴミ削減と適切な管理は、持続可能な観光を実現するために不可欠です。そのため、訪れる観光地でのゴミ管理には十分な配慮が必要です。自分自身の行動一つ一つが、環境に良い影響を与える可能性があるという意識を持つことが大切です。

持続可能な移動と宿泊

家族でサイクリング

持続可能な移動: 省エネと再生可能エネルギーの活用

旅行先での交通手段選定はエコトラベルの大きなポイントです。
短距離での移動には自転車が最適です。特に、自転車はCO2排出がゼロで、観光地内で非常に便利です。
一方で、中長距離の移動には電動バイクや、再生可能エネルギーを活用した公共交通手段が考えられます。例えば、太陽光や風力エネルギーを利用した電車や船がある地域では、これらを優先することで大幅な炭素削減が期待できます。
また、エコカーのレンタルサービスも増えています。これらの選択肢を利用することで、旅行者一人一人が地球温暖化の抑制に貢献できます。

サステナブルな宿泊と地元コミュニティへの貢献

宿泊先もエコトラベルにおいて重要な選択です。
節水システムやエネルギー効率の高い設備を導入しているホテルや民宿は理想的です。LED照明や調整可能なシャワーヘッド、リサイクルとごみ削減に積極的な施設も良い選択肢です。地元コミュニティとの連携も重要です。地域の製品やサービスを積極的に利用することで、地域経済に貢献し、地域社会との良好な関係を築くことができます。特に、地元のイベントや祭りに参加することで、地域活性化と文化の尊重が促進されます。

環境に配慮した食事とショッピング

旅行中の食事やショッピングも、持続可能性に寄与できる選択があります。
食事では、地元で生産された食材やオーガニック商品を選ぶことが望ましいです。WWFによれば、オーガニック農業は環境に優しいとされています。
ショッピングにおいては、再利用可能なショッピングバッグを持参する、包装の少ない商品を選ぶ、バルク品を購入するなど、環境負荷の低減が可能です。また、地元の小規模な店舗での購入は地域経済に貢献し、それが最終的には持続可能な観光へとつながります。

これらのエコトラベルの選択肢を総合的に考慮することで、より環境に優しい、持続可能な旅行を実現できます。

エコトラベルの成功事例とインスピレーション

旅行者

持続可能な観光の具体例

持続可能な観光は環境、経済、社会文化の三つの要素をバランスよく考慮し、長期的に持続可能な方法で観光活動を行うことを目的とします。
具体的な例としては、オーストラリアのグレートバリアリーフで行われているエコツアーが挙げられます。このエコツアーでは、現地の専門ガイドがサンゴ礁の生態系や保護について深く教え、観光客自らが保全活動に参加する場合もあります。これにより、観光客はただ景色を楽しむだけでなく、環境保護の重要性についても学びます。
環境認証を受けたホテルやリゾートもまた、持続可能な観光の好例です。これらの施設では、水のリサイクル、エネルギー効率の良い設備、ローカル食材の使用など、多方面で環境に配慮した運営が行われています。

森林保全と観光のバランス

森林エリアはその美しさと生態系の豊かさから観光地として人気がありますが、その反面、観光による環境への影響も無視できません。
マダガスカルの雨林では観光客の増加により、動植物の生息域が圧迫されているケースが報告されています。しかし、コスタリカではこの問題に対処するための優れた管理策が取られています。特に、訪問者数の制限、ガイド付きツアーの導入、教育プログラムなど、多くの環境保全活動が行われています。

体験と学びを組み合わせた旅

エコトラベルは単に観光を楽しむだけではなく、学びと体験が密接に結びついています。
タイ北部の山岳地帯での自然農法ツアーはその一例です。このツアーでは、地域住民が主体となって観光客に農法を教え、一緒に作業をします。これによって、観光客は地域の文化と環境に対する理解を深め、地域住民の持続可能な生計にも貢献しています。

感謝と楽しみのエコツーリズム

エコトラベルは旅行者に新しい視点を提供します。
フィリピンのパラワン諸島でのコミュニティ主導のエコツーリズムは、海洋保護活動に観光客が参加する形を取っています。これにより、観光客は自分の行動が地域や環境にどう影響するかを肌で感じ、より持続可能な方法で旅行を楽しむきっかけを得ることができます。これは、観光客と地域住民が共に学び、成長する素晴らしいモデルです。
持続可能な観光は地球全体の問題ですが、地域ごと、個人ごとに具体的な行動を通じて、よりよい未来を作っていくことが可能です。


エコトラベルはただのトレンドではありません、それは持続可能な未来に向けた重要なステップです。観光がもたらす環境や文化、経済への影響に考慮しながら旅をすることで、SDGs(持続可能な開発目標)にも貢献することができます。

貴重な体験と学びを得ながら、地球にやさしい旅をすることで、真の意味で豊かな旅を実現できます。




観光庁:持続可能な観光に係る取組 ノウハウ集

日本政府観光局(JNTO):サステナビリティ(持続可能性)を体現する日本の観光コンテンツを海外に向けて発信

一般社団法人 日本ツーリズム協会

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この記事を書いた人

村上

サステナブルライターとして、SDGsや生活の知恵を発信しています。育児をしながら、子どもと一緒に地球に優しい生活を目指し中。趣味は料理と美術館巡り。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。