きのこは私たちの食卓に欠かせない食材の一つ。しかし、保存方法や賞味期限を過ぎたきのこの取り扱いに迷ったことはありませんか?
きのこの食品ロスは、年間約12万トンにものぼるとされています。これは、日本のきのこ消費量の約2%にあたります。
きのこは、栄養価も高く、食物繊維やビタミン、ミネラルなどを豊富に含んでいます。余ったきのこを捨てずに、最後まで美味しく食べることで、食品ロスの削減にもつながります。
きのこの賞味期限と安全な食べ方
賞味期限を過ぎたきのこは食べられる?
きのこ類のパッケージには、一般的に賞味期限や消費期限が記載されていません。きのこは生鮮食品に分類されるため、表示対象とはなっていないのです。
とはいえ、「袋や容器をあけないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合、安全に食べられる期限」である賞味期限の目安はあります。他の野菜同様、1週間程度を目安としてください。
ただし、保存期間が長くなるほど、風味や食感が落ちる可能性は高くなります。
きのこは湿度や温度に敏感で、保存状態によっては短期間でも腐ることがあります。きのこ類を食べる前に、しっかりと表面や香りをチェックし、変色や異臭がないか確認してください。
【きのこの傷みの見分け方】
色が黒ずんでいる、または変色している
軸が細くなっている
触ると柔らかい
においが酸っぱい
健康のため、不安な場合は食べずに廃棄することをおすすめします。
きのこの石づきの取り方
きのこの石づきは、土や木の部分が付着している箇所です。食べても問題はありませんが、砂や土が混ざっている場合があるため、取り除くのが一般的です。
石づきを手でちぎる場合は、石づきの根元をしっかりとつまみ、手前に引っ張ってちぎります。包丁で切る場合は、石づきの根元を包丁で切り落とします。石づき抜き器を使う場合は、石づき抜き器を石づきの根元に差し込み、回しながら抜きます。
また、しっかりと洗うことで、砂や土を落とすことができます。ただし、きのこは水分を吸いやすいので、水洗い後は速やかに調理するか、キッチンペーパーで水分を取り除きましょう。
きのこの保存の注意点
きのこ類を保存する際は、冷蔵庫の野菜室での保存が最適です。また、きのこは放置すると乾燥しやすいため、食品用の保存袋や容器に入れ、余分な空気を抜いてから冷蔵庫に入れると良いでしょう。
また、長期保存は避け、購入後は3~4日以内に食べ切ることを目安にしましょう。シメジやエノキなどの細長いきのこは、袋のまま立てて保存すると、水分が下にたまりにくくなります。
きのこの長持ち保存術
きのこを水に浸けるメリット
きのこは水分を失うとしわしわになりやすく、食感や風味も損なわれます。そんなきのこを水に浸けて保存する方法は、一見意外かもしれませんが、実は非常に有効です。
水に浸けることで、きのこが水分をしっかりと保持し、フレッシュな状態をキープします。特にシイタケやマイタケのような大きめのきのこは、この方法での保存が効果的です。
【メリット】
汚れが落ちる:きのこは、表面に土や汚れが付着していることが多く、そのまま調理すると見た目が悪くなります。水に浸けると、汚れが落ちて見た目がきれいになります。
硬さがやわらぐ:きのこは、水分を多く含んでいるため、水に浸けると硬さがやわらぎ、食べやすくなります。特に、しめじやえのきなどの細かいきのこは、水に浸けると食感がより良くなります。
味がしみこむ:水に浸けると、きのこからうまみが溶け出し、味がしみ込むようになります。特に、しいたけなどの肉厚なきのこは、水に浸けるとうまみがアップします。
ただし、きのこを水に浸けすぎると、栄養素が流出してしまうため、注意が必要です。一般的には、10分程度の浸水が適切とされています。
10分ほど浸けたら水を切り、保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。水に浸けたきのこは、冷蔵庫で保存することで、3~4日程度長持ちさせることができます。
きのこを冷蔵保存するコツ
冷蔵庫でのきのこ保存は、多くの家庭で行われていますね。しかし、きのこは湿度や温度に敏感な食材ですので、ちょっとしたコツが必要です。
まず、きのこは冷蔵庫の野菜室で保存するのがベストです。そして、保存袋や容器に入れる際、きのこ同士が密着しないように、新聞紙やキッチンペーパーを敷くと、湿度の調整がしやすくなります。
きのこを冷蔵庫で保存するときは、空気を遮断するのがおすすめです。きのこは、水分を多く含んでいるため、空気に触れると乾燥して、カビや雑菌が繁殖しやすくなります。空気を遮断することで、きのこから水分が蒸発するのを防ぎ、カビや雑菌の繁殖を抑えることができます。
ただし、完全に空気を遮断すると、きのこが呼吸できなくなり、劣化が早まる可能性があります。そのため、保存袋の空気をできるだけ抜いてから、袋の口を少しだけあけて空気が通るようにしましょう。
きのこを冷凍保存する方法
きのこを冷凍することで、長期間保存することができます。きのこを冷凍保存する際は、以下の点に注意しましょう。
水気を拭き取る
刻んで冷凍する
ジッパー付き保存袋に入れて冷凍する
きのこは、水分を多く含んでいるため、水気を拭き取らないと、冷凍庫内で凍った水分が氷結し、食感が悪くなります。また、刻んで冷凍することで、冷凍ムラを防ぐことができます。さらに、ジッパー付き保存袋に入れて冷凍することで、空気中の酸素を遮断し、酸化を防ぐことができます。
きのこは、冷凍保存すると、1~2ヶ月程度保存することができます。保存袋やタッパーに分けて冷凍する際は、食べやすい量に小分けすると、使い勝手が良くなります。
冷凍きのこは調理する際、解凍せずにそのまま料理に加えることができるので、手軽に使えるのも魅力です。
食品ロスを防ぐきのこの活用法
きのこで作るスープストック
きのこは深い旨味を持っているため、スープのベースとして最適です。特にシイタケやエリンギは、煮込むことでその風味が豊かになります。
残ったきのこや茎の部分を水と一緒に鍋に入れ、弱火で30分ほど煮込むだけで、きのこの風味がしっかりと染み出したスープストックができあがります。
このストックは、麺つゆや煮物、リゾットなどさまざまな料理のベースとして利用できます。
食品ロスを減らしながら、きのこの美味しさを余すことなく楽しむ方法として、ぜひ取り入れてみてください。
【材料】
きのこ 1パック
水 1リットル
塩 小さじ1/2
【手順】
きのこは石づきを取って、食べやすい大きさに切る。
鍋に水ときのこを入れ、沸騰させる。
弱火で30分ほど煮込み、塩で味を調える。
きのこを乾燥して保存する方法
きのこの旨味は、乾燥させることでさらに濃縮されます。余ったきのこや、消費しきれない場合は乾燥保存がおすすめです。
きのこを薄くスライスして、風通しの良い場所や日陰で自然乾燥させるか、オーブンや乾燥機を使って乾燥させます。完全に水分が飛び、パリパリとした食感になれば完了です。
乾燥きのこは、密封容器に入れて冷暗所で保存すると、数ヶ月間風味をキープすることができます。また、料理の際には、水に戻して使うと、もとの柔らかさを取り戻します。
【材料】
きのこ 1パック
【手順】
きのこは石づきを取って、食べやすい大きさに切る。
キッチンペーパーで水気を拭き取る。
きのこを天日干しするか、オーブンで低温で乾燥させる。
きのこを天日干しする場合は、1日2~3回、裏返しながら乾燥させます。オーブンで乾燥する場合は、100℃で2~3時間ほど乾燥させます。
きのこをジャムや漬物にして楽しむ
きのこをジャムや漬物としてアレンジするのは、ちょっと意外かもしれませんが、実は非常に美味しいんです。
シイタケやマイタケを砂糖やはちみつ、レモン汁と煮込むだけで、きのこの風味が生きたジャムができあがります。
また、きのこを塩漬けや酢漬けにすることで、シャキシャキとした食感と独特の風味を楽しむことができます。
こうしたアレンジ方法を取り入れることで、食品ロスを防ぎながら、きのこの新しい魅力を発見できます。
【ポイント】
きのこは、新鮮なものを使う。
きのこは、下処理をしっかりする。
保存容器は、煮沸消毒する。
余ったきのこの再利用アイデア
きのこを炒めてパスタやピザのトッピングに
余ったきのこを炒めて、そのままの形で楽しむのはいかがでしょうか。きのこは炒めることで、甘みや旨味が引き立ちます。オリーブオイルやバターで炒めるだけで、素材の風味をしっかりと味わえます。
特にエリンギやしめじは、食感が残るので、パスタやピザのトッピングとしても相性抜群です。きのこの炒め物をオイルパスタに混ぜ込むだけで、シンプルながらも味わい深い一皿が完成します。
また、ピザに散らすことで、香ばしさをプラスできます。
【ポイント】
きのこは、水分を拭き取る。
きのこは、中火から強火で炒める。
きのこは、焦げないように注意する。
きのこをソテーしてサラダやオムレツに
サラダやオムレツには、きのこのソテーが良く合います。特にマイタケやシイタケは、ソテーすることで風味が増します。
ソテーは、きのこに塩と胡椒を振って、フライパンで弱火から中火にかけ、表面がキツネ色になるまで焼きます。
完成したソテーきのこをサラダのトッピングとして、またオムレツの具材として使用すると、一風変わった料理を楽しめます。特にきのこの香ばしさが、サラダやオムレツの味わいをより豊かにしてくれます。
【ポイント】
きのこは、水分を拭き取る。
きのこは、オリーブオイルやバターでじっくりとソテーする。
きのこは、焦げないように注意する。
きのこを煮込んでリゾットやカレーに
きのこは、煮込むことで柔らかくなり、様々な料理の具材として使えます。また、きのこの旨味がスープに溶け出し、より美味しく仕上がります。
特にリゾットやカレーは、きのこの食感や風味がよく合う料理です。
リゾットには、きのこを細かく刻んでから炒め、お米とともにじっくり煮込むと、きのこの旨味が溶け出して濃厚な味わいに。また、カレーの場合、きのこを大きめにカットして、野菜や肉とともに煮込むことで、きのこの食感が楽しめます。
特にシイタケやエリンギは、煮込んでも形が崩れにくいのでおすすめです。
【ポイント】
きのこは、水から煮込む。
きのこは、弱火でじっくり煮込む。
きのこは、こげないように注意する。
きのこは、火を止めてからも余熱で火が通る。
きのこは、栄養価が高く、料理に欠かせない食材です。しかし、賞味期限が短く、余らせてしまうことも少なくありません。
また、きのこは、環境に優しい食材でもあります。きのこは、水や肥料をあまり必要とせず、短期間で収穫することができます。そのため、きのこを多く食べることは、環境負荷の軽減にもつながります。
きのこをおいしく食べることは、私たちの健康と環境に貢献することにもつながります。ぜひ、今回ご紹介した情報を参考に、きのこをもっと楽しんでください。
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